歌乃の自重しないターン・・・すみませ・・・。
慣れない和式の布団に何度も寝返りをうつ、そして先ほどの風呂・・。
全てがなれないことばかりで発熱したらしい身体はふわふわとしていて頭はぐるぐる回り自分が今どこに居て寝ているのか立っているのかわからない程だった。
「(・・く、苦しい・・熱い・・母様・・!)」
はぁはぁと浅い呼吸を繰り返していると頭にひんやりとした物が当てられる。
「(??・・・冷たい、気持ちいい・・)」
ぼやける視界で見たのは先ほどまで嫌で嫌でしょうがなかった枢木スザクの顔。
その顔は心配そうな表情で自分を見つめていた・・。
「(そんな優しい・・心配そうな表情で見られたら・・何も言えないじゃないか・・)」
言葉に出そうとしても荒い呼吸にさえぎられて何も言葉にならず、のどの奥にとどめる。
「ほら・・水・・」
単語で区切られた言葉に反応したいがぼぉーっとする頭で身体が思うように動かず口元につけられたつめたい液体を体に入れることが出来なかった。
のどは渇いていてからからと焼けるように痛い・・すぐにでも飲み物がほしかったのに・・・
そう思っていてもその液体の入ったコップは離れていってしまう。・・離れてすぐにやわらかい感触のものが口に当てられそこから冷たい水が注ぎ込まれる。
その水を逃さないように口を開き飲み込む。
体に入ってくるその冷たい水が心地よくてそして口に触れられている優しい感触に安心して眠気が襲う・・意識が途切れる間際に見えたスザクの顔も熱でもあるのかと思うくらい真っ赤だった。
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真夜中になってもなかなか寝付けなかったスザクはルルーシュの異変にすぐ気づいた
浅い呼吸を繰り返して見るからに発熱しているその様子に慌てて飛び起きた。
この時間になったら起きている人なんて居るはずもなく、とりあえず何か冷やすものと、きっと喉も渇いてるはずだから水も・・と思った所でなんで自分がこいつの為にそんなことしてやらなきゃいけないんだ・・・そう思った。
大嫌いとまで言われたのだから自分に何かしてもらう方がこいつにとって嫌な事のはずだし・・・
そんな事を思いながら自分の部屋の扉を開いた所で振り返りルルーシュを見つめる。
はぁはぁと苦しそうな呼吸をしているルルーシュ・・少し見ているとルルーシュの口から「母様・・」とつぶやかれた。
そんなか細い声を聞いて先ほどまで悪態をついていた奴とは思えなくて・・そしてそんな弱弱しい姿を見て放っておけるはずもなく台所に氷枕とミネラルウォーターを取りにいったのだった。
ルルーシュに水を飲ませようとしてもなかなか飲んでくれない・・困り果てて最終的に思いついたのは口移し・・
「(・・これはしょうがない事・・ルルーシュが飲んでくれないのが悪い・・・!)」
誰に言い訳をしているのかもわからないがそんな事を自分のなかで繰り返して覚悟を決めて自分の口に水を含みルルーシュの口に自分の口を当てる・・少し開かれた口の隙間から水を少しずつ流し込むとその水を流さないようにルルーシュの口が開かれ自分に縋り寄って来るように近づいてきた。
「(うわ・・・なんか・・ヤバイ・・!)」
ルルーシュの口から離れたスザクはそんな事を思い自分の口元を押さえながら眠りにつくルルーシュの顔を見つめていた。
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