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柊歌乃と襖によるスザルルリレー小説置き場
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襖のターン!ちょい遅くなりましたすみませぬ!
約1500文字です(´ε`*)

 

しばらくルルーシュを見ていたスザクは口に当てた手をはずし、肩に入った力を抜いた。
 
落ち着けよ俺。
気にすることない、そうだろ?俺は別に悪い事したわけじゃないんだ。
 
そう言い聞かせて月の光を眩しく思いながら布団に入る。
静かにしていれば安定したルルーシュの寝息が聞こえてくる。背を向けて寝ていたが、くるりと寝返りをうってルルーシュのほうを向いた。
じっと見ていれば、さっきの感覚を思い出して、口元から拭い取るべきなのか、どうするのがいいのか。でも拭い取りたいわけじゃないと、そんな感情が頭のなかでくるくると回った。
 
こいつ、起きたときどう思うんだろうな。怒るんだろうな。
でも寝てる間みたいなもんだし、あんな体調じゃ忘れてるか…
そうだよな…
 
そう思うと、どこかつまらない気持ちも募ったが気楽になったスザクは、ルルーシュの寝息に合わせてゆっくりと眠りに落ちた。
 
 
朝になって、いつもどおり朝食を食べて、いつもどおり仕度をして、いつもどおり通学路に足をおろした。
ルルーシュが居てもスザクが“いつもどおり”なのはもちろん会話がなかったからだ。
蝉がなきはじめ、人も増えてきた。そんなにぎやかな通学路を2人は無言で歩いていた。
夏真っ盛りの入道雲は胸を張っているというのにルルーシュは足元を眺めているし、スザクは昨夜の寝不足もあるのかどこか無気力だ。
 
あー…何も言ってこないってことは、忘れてるんだよな?
別に何も変わったとこないし。
昨日と一緒の無愛想な顔しやがってさ…普通にしてれば可愛いのにな。
父さんに向けてるみたいな余所行きの顔はいらないけど。
 
そんな事を考え、手では寝癖を気にしつつもルルーシュの歩幅にあわせて歩いていた。
確実にいつもよりも遅い足取りでも、先に行くことはしなかった。それがスザクなりの思いだった。
そうしていつもと少し違うルルーシュが枠内にいる景色を眺めていたのだが、彼が突然枠外に出たものだからスザクは慌てて静止することとなった。
 
「…ど、どうしたんだよ?」
驚いたスザクはとっさに話かけたがルルーシュは下を向いたまま返事が無い。
「? どうしたんだ?またなんか体調悪いのか?」
「…また体調が。ということは、夢じゃないんだな…」
「あ」
正直地雷だった。一気に頭の血の気が無くなる。
スザクはやや後方に仰け反りつつ片足を後ろへ下げ、逃げ腰になっていた。
(やべぇ…!)
残念なことにルルーシュのプライドを今のスザクが理解することはできないため、下を向いたままの彼が怒っているのか、まさか泣いているなんてこともあり得るから気が気じゃなかったのだ。
加えて家の中ならまだスザクも冷静だっただろうが、あいにくここは人目のある通学路だ。
スザクの鼓動が一気に早くなった。
 
「勘違いすんなよ!お、俺はお前がなんか辛そうだったから水飲ませただけでっ…!」
「ありがとう」
「…え?」
スザクは返ってきた言葉に瞬きをぱちぱちと繰り返した。先ほどの一瞬のうちに駆け巡った思考など吹っ飛んだ。
聞き間違えか?とでも訴えているようなスザクの微動だにしない様子を感じ取ったルルーシュは下唇を噛む。
そしてグーの手にしている両手に力を入れた。
 
「っ!“ありがとう”と言っているんだ!一回で聞き取れ馬鹿が!」
 
勢いよく顔をあげたルルーシュの顔は必死にも耳まで真赤で、停止していたスザクは瞬きすらできなかった。きっとこの表情はお互いに忘れないだろうと思う。
 
「お、おうよ!」
 
馬鹿と言われたことについては触れることもできないままスザクは早足で先に行こうとするルルーシュの背中を追った。
横に並べばまだ額にしわを寄せつつも頬を染めているルルーシュ。
それを見てスザクは自分がまだ彼を好きでいる理由がわかったような気がした。
 

色々ムカついたり、つまんなかったりするけど
これほどまで守ってやりたいと思った相手は居なかったんだ
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